御主人の所蔵する多岐に渡る分野の本の置き場を、知の遊び場として家族皆が触れ合える楽しい場所にしたいと思った。道路の形状に合わせて折れ曲がる外壁と、室内の直交軸上の壁との間に生まれた不定形な空間が、狭くなり広くなりながら階段に沿って続く。この縦空間には書棚が組込まれ、小さな机も設けられた。家を貫くこの階段室は、1階のお母様の部屋から2階の寝室や浴室、そして3階のリビング・ダイニングまで、更には屋上も含め家族の居場所を繋ぐ立体空間として、この家の背骨のような役割を果たしている。

右:建物外観。敷地に合わせた多面体の形状をしています。黄土色の外壁はリシン掻き落とし仕上げ。
左:内部を表した模型。多面体に沿って階段が計画されています。


左:玄関。左奥は祖母の部屋と和室になっています。
右:階段室。階段は単に上り下りするだけの場所ではなく、家族が好きに時間を過ごせる場となっています。


2階から階段室を見る。ご主人の膨大な本が納められたライブラリーになっています。3階から差し込む光が、多角形の壁面を伝って階段室まで届きます。

右:ダイニング。左側の階段は、屋上テラスへと続いています。
左:ダイニングから屋上テラスを見上げる。ハイサイドライト越しに屋上テラスの様子が見えるようになっています。


キッチン。ダイニングに溶け込むよう、面材に杉を使用した造作としています。

ダイニングと居間。居間はダイニングより約50㎝の小上がりにすることで、食卓のベンチとしても使えるようになっています。
用途 | 専用住宅 |
竣工 | 2005年 |
場所 | 埼玉県 戸田市 |
完成時の居住者 | 夫婦+子供3人+祖母 |
構造 | 木造2階建 |
延床面積 | 84.19㎡ |
施工 | 渡辺富工務店 |
受賞等 | 日本建築協会優秀建築選2006選出 |