宮崎市に拠点を置くアイ・ホームからモデルハウスの設計の依頼を受けたものです。
アイ・ホームは、高気密高断熱化により室内環境を快適にする家づくりにおいては実績のある建設会社です。設備環境的な更なる提案に加えて、宮崎の杉をふんだんに使った、デザイン的にも美しい家を今回作りたいと言う事で声を掛けていただきました。寺尾三上建築事務所の寺尾信子氏との共同作業による仕事です。ここでは住宅用壁掛けエアコンを1階階段下と2階小屋裏のチャンバー内にそれぞれ1台ずつ計2台設置し、極めて消費電力の小さいDC モーターファン6台で冷暖気を各所に送るシステムを採用しています。道路からは見えませんが屋根の上にはソーラーパネルも設置された、ゼロエネルギー住宅です。
外観正面は軒高を1.5層分の高さにして正面からのボリュームを抑え、前面に杉を張りました。屋根を支える鉄の細い柱が並んだ外観は木の柔らかな肌合いや色と相まって清楚な印象になりました。外観はこの家での暮らしぶりを印象づける重要な部位です。廊下の先のドアを開けて個室に入る様な旧態依然たるプランニングでは無く、上下階や個室の区画を最小限にして家族の関係を最大限楽しめるような家を作ろうとした結果、最終的にこのような外観になりました。
この家は上下の温度差が無いので、吹抜け空間や連続空間を作ることができます。それによって上下や横に視線が抜け、家族との一体感を楽しめる内部空間を実現出来ます。躯体の断熱気密性能が高いため、夏・冬はごく小さなエネルギーにより穏やかで快適な室内環境を楽しめる一方、春や秋には室内に風を通して外気の心地良さを感じられる様、屋根の頂部には開く天窓も用意されています。2階は屋根の形状を内側から眺められる一室空間。奥は夫婦寝室と書斎コーナー、手前の子供室コーナーはロフトに居るかのように天井高さをぐっと抑えた空間。春や秋には上部に空気を抜く事も出来る、開く天窓を2カ所に設けています。
用途 | 工務店のモデルハウス |
竣工 | 2016年 |
場所 | 宮崎県 宮崎市 |
構造 | 木造2階建 |
延床面積 | 115.26㎡ |
施工 | アイホーム |