敷地の凹みを利用し、すり鉢状の円弧を浅間山の裾野のなだらかな斜面にはめ込むことから、この家はスタートした。細長い建物の中に円弧の軌跡が入り込み弓形の居間となった。居間の前面には全開放できる引戸が計画され、対峙する居間と庭は完全に1つの円の中に納まる。円形の庭から眺める居間は、プロセニアムで切り取られた舞台のように見える。そのとき居間の正面にある、ピアノや暖炉、テレビや照明、更にキッチンや階段にからみながら湾曲する土の壁は、重要な舞台背景となる。左手から現れる主人公が右手の石のテーブルに腰掛ける場面から、このステージが始まる。
北西側外観の夏景色。庭には木々が生い茂る自然豊かな敷地に建っています。
用途 | 別荘 |
竣工 | 1991年 |
場所 | 長野県 |
完成時の居住者 | 夫婦+子世帯の3世帯 |
構造 | 木造2階建 |
延床面積 | 188.6㎡ |
施工 | 河本工業+安藤工務店 |
受賞等 | OMソーラー地域建築賞 |