この家をPiccolo Teatroと名付けました。イタリア語で「小さな劇場」です。日常の中で起こるほんの些細な出来事や発見さえも、舞台に立つ役者の様な大げさな身振りで楽しもうとするイタリアの人たちと重なったのです。生きる事は繰り返す事だと行っても過言ではないかもしれません。家の中で毎日繰り返される実にたわいもない事は、10年、20年と蓄積される中で、気持ちのありようや家族の関係に知らず知らずのうちに大きな影響を及ぼします。
この家の設計が始まったときご夫妻は結婚して間もない頃で子供さんはまだいらっしゃいませんでしたが、ここで子供を育てながら、生きる事を真正面から受け止め楽しめる家を創りたいと思いました。
外観。坂道を上った高台の角地に建っています。敷地の形状に合わせ、家の輪郭も五角形になっています。


左:プランの構成を表すダイアグラム。1から6までの様々なスペースがあり、順番に階段で上っていく構成。
右:模型。真ん中の吹抜けを中心に、五角形の形状に沿って小さなスペースが配置されています。


右:玄関。黒い土間は墨入りモルタル仕上げ。赤い壁の裏は浴室・洗面・トイレが一体となった水廻りスペースになっています。3段の階段を上るとダイニングへ続きます。
左:浴室。壁はピンクの丸モザイクタイル貼。ハイサイドライトを設け、室内のプライバシーを確保しつつ明るい空間にしています。


右:ダイニング。床はサワラ、板張りの壁は焦げ茶色に染色しています。階段をさらに上ると、プレイルームへと続きます。
左:ダイニングから玄関方向を見る。玄関土間の奥は和室になっています。


プレイルーム。子供の遊び場にしたり、寝転んだり、様々な使い方ができます。右側の板張りの裏は階段になっており、寝室へと続きます。

寝室。ベッドに寝転ぶと、屋根の形が見え、包まれているような安心感があります。天井に施した白い漆喰塗りは、窓からの光を反射して室内へ取込む効果があります。寝室の奥は、こぢんまりした書斎があります。

上からダイニングを見下ろす。下から上へ階段を上る途中に、さまざまな居場所が街角のように配置されています。
用途 | 専用住宅 |
竣工 | 2009年 |
場所 | 千葉県 市川市 |
完成時の居住者 | 夫婦+子供1人 |
構造 | 木造2階建 |
延床面積 | 84.19㎡ |
施工 | 渡辺富工務店 |
受賞等 | 日本建築協会優秀建築選2011選出 |