敷地は旧甲州街道から50m程入った所に在る住宅地。南側は古くからある行き止まり道路、西側は近年出来た道路で、計2本が接道している。西側の道路からは建築がよく見え、南側の行き止まり道路からは風が通る。こうした敷地の特性を活かして、建築を1つのボリュームとせず東棟と西棟に1間離して配置する事にした。そうする事で2棟の間には光が落ち、風が通り、冬ここは日だまりの空間となる。西側道路に面するファサードはこの家を印象づけるもので、西棟の軒を低く押えたプロポーションとした。
東棟1階の和室と西棟2階の2つの寝室に引戸が備えられているが、それ以外の居室に建具は無い。寝室以外は部屋の一部を通過して次の間に行くオープンなプランニングを基本としている。部屋同士にそのくらいの繋がりがある事が、家族間の顔が見える関係を作る上で良いと考える。この家はベランダも使えば吹抜けのホールの周りを一巡できる様計画されている。ダークな色調の和室、書斎、寝室などを通過しホールのブリッジに立つと、視線は白一色の吹抜け空間、外の光、そして空へと抜ける。

左:プランの構成を表すダイアグラム。建物を2棟に分け、離して配置することで、棟同士の間に光と風を取込んでいます。
右:道路から見た外観。2棟の間は玄関ホールになっています。外壁はサワラ板張り。


玄関ホール。床は蓄熱型温水式床暖房を埋設した土間コンクリートとすることで、輻射熱により家全体を暖めます。

玄関ホールからダイニングキッチンを見る。2棟に分けたことで、玄関ホールに柔らかい光が差し込み、漆喰壁に陰影をつくります。キッチンは杉を使った造作。

玄関ホールから和室を見る。壁は浅葱色の土塗り仕上げとし、落ち着いた空間にしています。廊下の壁は浸透性塗装を施したラワンベニヤ張り。


左:2階の廊下から玄関ホールを見下ろす。2階の廊下は棟と棟を行き来するブリッジとなっています。
右:洗面脱衣室。白く清潔感のある壁は漆喰塗り。水が掛かりやすい床から腰高まではタイル張りとしています。

2つの棟から成り立っていることを表したスケッチ。
用途 | 専用住宅 |
竣工 | 2015年 |
場所 | 東京都 八王子市 |
完成時の居住者 | 夫婦+子供2人 |
構造 | 木造2階建 |
延床面積 | 102.86㎡ |
施工 | キューブワンハウジング |