持ち物は最低限、コンパクトで気持ちよく、生活時間帯の異なる2人が互いを視野に入れながら各自の領域を守れる空間。近くの大工さんによる施工。楽しめる庭。施工坪単価は50万円台でローコストだが、質の確保に腕利きの職人は外せない。要素をどこまで減らせるかが重要なテーマで、最終的には浴室を除き室内一切の建具がなくなった。
この家には2種類の空間が用意された。1つは玄関を開けると最初に目に飛び込んでくるトレーラーのような一室空間。土を固めた焼かないタイルや漆喰の壁に包まれた多機能土間空間としての水回り。もう1つは、節のある檜や杉、そしてワラのたっぷり入った土壁に包まれた柔らかな雰囲気の居間や和室や寝室空間。

右:建物外観。四季折々の花や木々が茂る庭が建物を囲んでいます。
左:外壁。黄色みを帯びた地元の土を使った土壁。竹箒で引っ掻いて表情を出しました。


玄関。玄関土間は設けず、タイル張りの床が玄関から室内奥まで続いています。

居間。窓からの光が土壁に柔らかな陰影を落とします。居間のどの窓からも庭の緑を眺められるようになっています。

左:廊下から居間を見る。
右:2階から居間を見下ろす。2層分がまるまる吹抜けた空間になっています。


奥様の寝室。居間の吹抜けに面しており、扉も壁もないワンルーム空間。居間の気配を感じることができます。

1階の和室。奥の板張り壁は一部凹んでおり、仏壇スペースとなっています。
用途 | 専用住宅 |
竣工 | 1999年 |
場所 | 茨城県 土浦市 |
完成時の居住者 | 夫婦 |
構造 | 木造2階建 |
延床面積 | 93.06㎡ |
施工 | 今井建築 |